プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関による情報サイト
2021.1.7
2023.8.4
深みのある美しい赤色と強い輝きで、宝飾品として王族や貴族たちを虜にしてきたガーネット。古くから、魔除けや勝利へ導く護符として大切にされてきました。実は私たちが知っているガーネットはほんの一部。たくさんの色と種類があるのです。今回はそんなガーネットの種類はもちろん、特徴や歴史、石言葉、相性の良い貴金属を紹介します。
ガーネットはアメジストやエメラルドと同じケイ酸塩鉱物という種類のひとつ。深みのある赤色のものが主流ですが、実はピンクがかった赤から、鮮やかなオレンジ色、シャンパンゴールド、無色、緑色など豊富なカラーがあります。似たような構造をもつ鉱物を集めてガーネットと呼んでいるため、大きく分けて赤系と緑系の2種類、さらに細かく主成分や色で分けていくと20種類以上のガーネットが存在します。加熱処理を加えることで色が変化する宝石と違い、ガーネットの色はすべて天然であることも大きな特徴です。
深みのある赤と小さな粒上の果実がぎゅっと詰まったような原石の形から、和名で「柘榴(ざくろ)石」とも呼ばれるガーネット。ラテン語で「種子」を意味する「granatus(グラナタス)」が語源になっています。
ガーネットは1月の誕生石としても有名ですよね。また、結婚18周年の記念石でもあります。ガーネットは研磨剤として使われていた歴史があるほど硬い宝石のひとつ。18年間夫婦として過ごしてきた絆の強さを、ガーネットのジュエリーに込めて、夫婦で贈りあうのもステキですね。
ガーネットは歴史上で最も古い宝石のうちのひとつ。今から五千年以上前、青銅器時代にはすでに研磨剤や宝石として使用され、古代エジプトでは生前のファラオの首を彩り、死後もミイラと共に埋葬されていた歴史もあります。また、フランス王妃のマリー・アントワネットや、イギリスのヴィクトリア女王もガーネットジュエリーの愛用者。美しい赤色の石を花や実に見立ててデザインしたジュエリーを身に着けていたそうです。
ガーネットの産地は広く、アフリカ、ロシア、ヨーロッパ、アメリカと世界各地で採掘されています。特に有名なのはロシアの中央に位置するウラル山脈。現在は閉山していますが、デマントイドという希少性が高いガーネットが発掘されることで有名です。日本のジュエリーとして定番のアンマンディンガーネットは、スリランカやインド、タンザニアから産出されているものが多く販売されています。
ガーネットの石言葉は「真実」「友愛」「忠実」。屈折率が高く強い輝きをもつことから、旧約聖書の「ノアの方舟」でも、闇を照らし、進むべき道を示してくれるお守りとして描かれています。また、中世のローマでは戦場に赴く十字軍を勝利へ導くお守りとして、身に付けられていた歴史もあります。高い目標に向かって着実に成功をつかんでいきたいという人におすすめの石です。
現代でもお守りとして人気のガーネット。毎日のジュエリーとして身につける場合には、貴金属との相性も気になりますよね。
カラーが豊富なガーネットのどの色とも相性が良いのはプラチナ。白色の貴金属はガーネットの自然な色合いを引き立てて、どんなトーンのガーネットも美しく見せてくれます。また、ガーネットとプラチナの輝きが相まって、ラグジュアリーな雰囲気を演出できるのも魅力のひとつ。他の貴金属にはない、モダンで洗練された雰囲気を醸し出してくれます。
ガーネットの硬度は6.5~7.5程度。鋭利なもので強くこすると傷はつきますが、水にも紫外線にも強いため、比較的扱いやすい宝石です。輝きを保つためにも、外す際にはやわらかい布でふくのがおすすめ。指紋や皮脂汚れが気になるときには、ぬるま湯に中性洗剤を溶かして、やわらかなブラシで洗ってください。
以上、ガーネットの特徴から石言葉、相性の良い貴金属をご紹介しました。多くの光を取り込むことで輝きを放ち、闇を照らし悪を払う宝石として人々に愛されてきたガーネット。そこにプラチナの輝きが加わることで、より強い光の道が現れ、目標に向かって進む勇気を与えてくれそうですよね。カラーバリエーションが魅力のガーネットだから、自分だけの色を探してみるのも楽しそう。お気に入りのガーネットジュエリーに出会えますように。
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